2023年9月28日(旧暦八月十四日) 詞にたがはず雨 元禄二年八月十五日(1689年9月28日)

「十五日、亭主の詞にたがはず雨降。」

旅日記によりますと、十五日大垣は曇、曽良は8時頃に出船、14時くらいから雨が降り出し、16時過ぎに長島大智院に着いています。敦賀も朝は曇だったのかもしれません。

この日芭蕉は、源平、南北、戦国などの合戦の場となった金が崎城址に出かけました。天屋(てんや)五郎右衛門が案内したようです。天屋は敦賀の廻船問屋で主人は玄流という号の俳人でもありました。

曽良旅日記十一日の条に、「天や五郎右衛門尋テ、翁へ手紙認、預置。」とあり、芭蕉が天屋に行くことは予定の行動でした。天気さへ良ければ、この日芭蕉は天屋の手配で色の浜に渡り観月するつもりだったのだと思います。

元亀元年(1570)の朝倉攻めの合戦で近江小谷の浅井長政の離反により、信長軍が越前から総退却した際、金が崎城は「金ケ崎崩れ」とよばれる戦いがあったところです。家康や明智光秀などが参加していましたが、秀吉が殿(しんがり)軍としてここを拠点に撤退戦を戦い、功を上げたそうです。信長は辛うじて朽木を越え京まで逃げ延びました。

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