2023年10月11日(旧暦八月二十七日) 虚空蔵さん 元禄二年八月二十八日(1689年10月11日)
二十八日、大垣に滞在していた芭蕉は美濃赤坂の明星輪寺(地元では今も虚空蔵さんと呼ばれ、毎朝標高200mを越える金生山のきつい坂を上るお年寄りの姿が絶えません。)を参詣します。大垣から美濃路、養老街道を経て二里ほどの距離です。芭蕉は貞享元年「野晒紀行」の途次に、もしかしたら寄っていたのではないかと思います。
金生山からは岐阜、大垣、関ヶ原は一望のもとに見渡せ、関ケ原などの戦いの時の重要な物見地点だったかもしれません。そう思わせるような開けた視界でした。
「赤坂の虚空蔵にて、八月二十八日、奥の院/ 鳩の声身に入(し)みわたる岩戸哉」
明星輪寺の本堂は岩山に建て掛けて建築されており、御本尊の虚空蔵菩薩は大蛇がとぐろを巻いたように見える岩の洞窟の中におられます。
虚空蔵さんは大垣藩主戸田氏の祈祷所でしたから、芭蕉が訪れた頃には既に賑わっていたそうです。
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