2023年9月20日(旧暦八月六日) 曽良ひとり行く 元禄二年八月七日(1689年9月20日)


「七日 快晴。 辰ノ中刻、全昌寺を立。」と旅日記に記していますように、曽良は7時20分頃大聖寺を発ち、吉崎に寄り道し北潟から金津宿に出て「申ノ下刻、森岡二着。六良兵衛ト云者ニ宿ス。」17時頃に森岡に到着しました。

「森岡」は丸岡もしくは森田とされ、翌日の旅日記に「森岡を日ノ出ニ立て、舟橋ヲ渡テ」とあるところから、九頭竜川に架かる舟橋北詰である森田(稲多宿)説が有力なようにも見えます。しかし全昌寺から丸岡までは約八里、森田なら九里半ほどの距離で、吉崎見物に2時間費やしたとすれば歩行8時間余となり丸岡かもしれません。また翌八日は5時45分くらいに「森岡」を出て、巳ノ刻前すなわち8時半くらいに福井に着いています。丸岡から福井は三里余もし芭蕉が宿泊したとの言伝えのある丸岡長崎の称念寺ですと三里弱、森田からは一里半足らずですからやはり「森岡」は丸岡ではなかったかと思います。

芭蕉も全昌寺の次の日は丸岡に一泊したようです。全昌寺、吉崎、丸岡、今庄、敦賀、色が浜、木之本、関ヶ原と、曽良は芭蕉の宿泊先に前触れしていっているような道中に見えます。芭蕉の知り合いがいる松岡には寄らず、福井も単に通過しただけでした。

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