2023年8月18日(旧暦七月三日) 銀河ノ序 元禄二年七月四日(1689年8月18日)

おくのほそ道本文には出雲崎のことは記されていません。が、「文月や六日も常の夜には似ず」のあとに「荒海や佐渡によこたふ天河」とあります。

この「荒海や」の句については「銀河ノ序」といわれる俳文を残しています。本文は出典や真蹟懐紙によってかなりの異同がありますが、共通点は、出雲崎の海には佐渡ヶ島がよこ折れふして手に取るよう間近に見えるとし、本句で結ばれている点です。

「荒海や」の句は芭蕉の代表作ともいえる評価の高い句ということもあり、どこで詠まれたかの本家争いは激しく、出雲崎、寺泊や初めて披露された直江津*などがあります。曽良が「七夕」として本句を書き留めており、またおくのほそ道でも「文月や」の次に置かれていますので、芭蕉としては七月七日の句として扱っていることは間違いありませんが、着想・初案を得たのは、今日元禄二年七月四日(1689年8月18日)、出雲崎だと思います。

*七月七日の直江津は、昨日からの雨が昼の少しの間止んだものの一日中降り止まず、夜中風雨が激しくなったと曽良が書き残していますので、六日も七日も天の川は見えなかったと思われます。


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