2023年7月26日(旧暦六月九日) 山をいで羽の初茄子 元禄二年六月十日(1689年7月26日)
三日から羽黒山に逗留していた芭蕉は、十日、本坊でお昼い蕎麦やお酒をごちそうになってから鶴岡に向かいます。芭蕉はだいぶ蕎麦が好きだったようです。「蕎麦切・誹諧は都の土地に応ぜず」と芭蕉が言ったとの話も残されています。ひょっとしたら、おくのほそ道の旅を通じて蕎麦好きになったのかもしれません…
「羽黒を立て、鶴ヶ岡の城下、長山氏重行と云物のふ(武士)の家にむかへられて、俳諧一巻有。左吉も共に送りぬ。」(「おくのほそ道」)と露丸も同行して、「申ノ刻、鶴ヶ岡長山五良右衛門宅に至ル。粥ヲ望、終テ眠休シテ、夜ニ入テ発句出テ一巡終ル」(曽良「旅日記」)と、芭蕉は食欲旺盛です。
歌仙の発句は芭蕉の、めづらしや山をいで羽の初茄子 粥に、添えられていた茄子がきっと冷っとして美味しかったのでしょう。ただ、翌日芭蕉は「不快故、昼程中絶ス」と、歌仙を中断しています。写真は、鶴岡市日枝神社近くの芭蕉が3泊した長山邸跡。
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