2023年7月20日(旧暦六月三日) 本坊ヘ蕎切にて招かる 元禄二年六月四日(1689年7月20日)
「四日、本坊において俳諧興行。」と「おくのほそ道」にありますように、芭蕉はお昼、羽黒山別当代和交院会覚阿闍梨に謁見、蕎麦切りをごちそうになって、「有難や雪をかほらす風の音」を発句に歌仙を巻きます。脇は露丸の「住程人のむすぶ夏草」、第三は曽良「川船のつなに蛍を引立て」でした。
歌仙はこの日、一の折表六句で終わり、翌日に詠み継がれ、そして月山・湯殿山参拝を挟み九日、会覚の花の句「盃のさかなに流す花の浪」に進み満尾することになります。
明治時代の神仏分離施策・廃仏棄釈運動の結果、現在、羽黒山別当寺の本坊や会覚が居住した南谷別院などは一切残っていません。木々の間に、ただ夏草が蔓延るばかりです。
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