2023年7月1日(旧暦五月十四日) 関守にあやしめられて 元禄二年五月十五日(1689年7月1日)

 

芭蕉一行は、岩出山から出羽街道を仙台方面にとり、現在の加美町小野田で旧最上街道へ入り、門沢、漆沢から軽井沢峠を越えて出羽に出るつもりでした。ところが、この「道遠ク、難所有之由故、道ヲカエテ」、尿前から出羽街道中山越えで出羽に向かうことになりました。

どちらの道も岩出山から尾花沢までの距離は十五里ほどで変わりませんが、旧最上街道軽井沢越えの方は少し高い山々を越えますから、難所が多いのでというのはわかります。しかし、昨日寄り道して見物するはずのところ見逃してしまった、小黒崎を芭蕉がどうしても見たいと言ったのかもしれませんし、最上街道の関所が厳しいとの情報が入って急遽変更したのかもしれません。芭蕉と曽良は「出手形」を持っていませんでした。

「漸(やうやう)として関をこす。」

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