2023年6月29日(旧暦五月十二日) 降のこしてや 元禄二年五月十三日(1689年6月29日)

「光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。七宝散うせて、珠の扉(とぼそ)風にやぶれ、金(こがね)の柱霜雪に朽て、既退廃空虚の叢と成べきを、四面新に囲て、甍を覆て風雨を凌(しのぐ)。暫時(しばらく)千歳の記念(かたみ)とはなれり。」

 五月雨の降のこしてや光堂

光堂には三代の棺だけではなく、秀衡の遺言に背き義経を自害に追いやった四代泰衡の首級も収められていました。今その首桶を見ることができますが、芭蕉の時代には秘されていたかもしれません。

光堂は屋根瓦も木造で作られ、おそらく金箔が施されていました。そのようなこともあり新築後間もなく覆い屋根が懸けられ、それが覆堂に発展しました。

芭蕉が訪れた時の覆堂は、現在旧覆堂として残され、芭蕉の彫像がそれを眺めています。左の写真です。

「申ノ上剋帰ル。主、水風呂ヲシテ待。宿ス。」と、芭蕉と曽良は一ノ関の宿に15時過ぎには戻りました。

わたしは雨の為、帰りはJRのお世話になり、15時半には一ノ関に戻り宿のチェックインしました。歩いて2時間、電車9分。

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