2023年6月29日(旧暦五月十二日) 夢の跡 元禄二年五月十三日(1689年6月29日)

 

「戸伊摩(といま)と云所に一宿して、平泉に至る。其間二十余里ほどゝおぼゆ。」本文では、十三日朝、石巻を出て途中戸伊摩(今の登米とよま)に一泊、十四日に平泉に到着となっていますので、見物は十五日のことのように読み取れます。

実際は、十一日に石巻を発ち、戸伊摩ではあらかじめ決めたあったらしい宿には何らかの事情で泊まらず、検断屋敷に泊り、翌十二日合羽も通るほどの雨の中夕方一関に着きます。そして「十三日、天気明。巳ノ剋ヨリ平泉ヘ趣。」と旅日記に有りますので、平泉見物は十三日のことでした。

わたしは早朝に石巻を出発、道中をJRにてショートカットして、9時前一関から平泉に向かいました。天気は残念ながら雨。

「先高館にのぼれば、北上川南部より流るゝ大河也。衣川は和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落入。(略)偖も義臣すぐって此城にこもり、功名一時の叢となる。」

義経は文治五年(1189)閏四月三十日この地で妻子共々自害したと伝えられます。義経像の視線の先には、五月雨に煙る観音岳がありました。

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