2023年6月26日(旧暦五月九日) 松島立 元禄二年五月十日(1689年6月26日)

松島を出て高城の近くの山道でホトトギスが鳴きました。

松島から中小の峠を五つばかり越えると鳴瀬・小野に出ます。この道中は海もほとんど見えないまるで山の中のような道ですから、当時は「人跡稀に雉兎蒭蕘(ちとすうぜう)の往かふ道もそこともわかず」といった雰囲気もあったかもしれません。しかし12,3㎞で鳴瀬に出ますと視界が開け、遠くに金華山なども見えて、迷うようなことはないと思います。

左の写真の上下を見比べてください。

芭蕉は、「十二日、平和泉と心ざし、あねはの松(現栗原市金成梨崎南沢)・緒だえの橋(現大崎市古川三日町)など聞伝て、人跡稀に雉兎蒭蕘の往かふ道もそこともわかず、終に路ふみたがへて、石の巻といふ湊に出。」と書いていますが、松島から高城川に沿って北上すれば古川、栗原、一関、平泉方面、北上せずに東に渡れば石巻方面ですから、「終に路ふみたがへて」ということはあり得ません。

曽良旅日記には「十日 快晴 松島立。馬次、高城村、小野、石巻、仙台ヨリ十三里余。」と記していますので、芭蕉と曽良は初めから石巻に向かっていました。

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