2023年6月25日(旧暦五月八日) 松島にわたる 元禄二年五月九日(1689年6月25日)

 

「日既午にちかし。船をかりて松島にわたる。其間二里余、雄島の磯につく。」と本文にありますように、いよいよこの日芭蕉は待望の松島に入りました。

曽良旅日記には「千賀ノ浦・籬島・都島等所々見テ、午ノ刻松島ニ着船。」と昼に着いたようです。そして「茶ナド呑テ瑞巌寺詣、不残見物。」とあり、「ソレヨリ雄島(所ニハ御島ト書)所々見ル(とみ山モ見ユル)。御島、雲居ノ座禅堂有。ソノ南ニ寧一山ノ碑之文有。北ニ庵有。道心者住ス。帰テ後、八幡社・五大堂ヲ見。慈覚ノ作。松島ニ宿ス。久之助ト云。加衛門状添。」とありますように、芭蕉はこの日の午後瑞巌寺、雄島、五大堂その他松島を残らず見物してしまいます。たしかに時間的には十分可能な行程ですが、「松島の月先心にかゝりて」と出発前から心待ちにしていた松島にしては、あまりにもそそくさとした行動だと不思議に感じます。

ただ、おくのほそ道の本文には九日午後半日のことを、十日松島、十一日瑞巌寺と引き延ばして芭蕉は書いています。


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