2023年5月25日(旧暦四月六日) 田や麦や 元禄二年四月七日(1689年5月25日)
芭蕉は雨のため外出できず、黒羽城三の丸内にある浄法寺図書桃雪の屋敷に滞在しています。曽良は「旅日記」に「六日ヨリ九日迄、雨止ズ」と記しています。
「俳諧書留」に「しら川の関やいづことおもふにも、先、秋風の心にうごきて、苗みどりにむぎあからみて、粒々にからきめをする賤が仕業もめにちかく、すべて春秋のあはれ・月雪のながめより、この時はやゝ卯月のはじめになん侍れば、百景一ツをだに見ことあたはず。ただ声をのみて、黙して筆を捨るのみなりけらし。/ 田や麦や中にも夏の時鳥 / 元禄二孟夏七日 芭蕉桃青」と、多分逗留先の桃雪に芭蕉が贈ったと思われます真蹟の写しを残しています。
2023年の雨は23日だけで上がり、翌24日は写真のようによく晴れました。風が強く肌寒かったですけど…。黒羽城址眼下には、芭蕉も見たであろう「田や麦」の景色がひろがっています。なお、25日は薄曇りです。
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