元禄二年三月二十三日(1689年5月12日) Genroku 2nd 3.23(AD1689.5.12) 元禄二年(1689)三月二十三日(農暦)
今日、2023年5月12日は、旧暦では三月二十三日にあたります。
元禄二年の今日、芭蕉は岐阜の門弟である落梧宛に、「 松島一見のおもひやまず、此廿六日江上を立ち出で候。」と報じています。この「廿六日」は、当時の時制で夜明が日の境とされてましたので、芭蕉は暁前に舟で深川を出立するつもりでと書いたのでしょう。
出立日について私は、まず、十九日の夜に「むつましきかぎりは宵よりつどひ」、曽良の日記にありますように二十日出船して千住に上がったんだと思います。ところが、「猶其筋余寒ありて白河の便に告げこす人もありければ、多病心もとなしと弥生末つ方まで引とヾめて」と杉風が書き残しているように、千住で「余寒」情報によって旅立ちをいったん見合わせたのではと推測します。今年もあった「岩手県内は8日、北部の山間部を中心に季節外れの雪が積もり、海上では暴風となった。」(朝日新聞2023年5月8日)のような情報が、芭蕉一行にもたらされたのではないでしょうか。次に、二十六日になったのは「二十六夜待」としゃれこんで、また「むつましきかぎりは」「宵よりつどひ」「舟に乗送る」ことを、二十日から二十三日の間決めたのだと憶測しています。
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